こんにちは!当ブログのトレーディングコーチを務める「琴乃葉つむぎ」です!
今回は「プロスペクト理論」について解説しますね。
なんだか難しそうな名前ですが、できるだけ分かりやすく解説できるように頑張ります!
プロスペクト理論とは、人間は損失を過剰に回避したがるという理論だよ!
この記事ではより詳しく、プロスペクト理論を解説していきます!
プロスペクト理論とは
プロスペクト理論とは、人々が不確実性を持つ選択をするときにどのように行動するかを説明する理論です。
具体的には、損失に対して過敏であり、リスクを避ける傾向があることを示しています。
つまり、同じ価値の利益と損失があったとしても、損失の方が人々にとって大きな影響を与えるということです。
この心理的バイアスによって、人はさまざまな場面で間違った判断を下してしまうんです!
プロスペクト理論の2つの重要な概念
プロスペクト理論は、特に以下の2つの重要な概念を提供します。
損失回避
人々は利益と損失を異なる方法で評価します。
具体的には、同じ量の損失は同じ量の利益よりもはるかに重大に感じられるという事実を示しています。
これは「損失回避」と呼ばれ、人々は損失を避けるためにリスクを取る傾向があることを示しています。
確率の重み付け
人々は低確率のイベントを過大評価し、高確率のイベントを過小評価する傾向があります。
つまり、稀な事象が起こる可能性については過度に懸念し、確実に近い事象についてはあまり深刻に考えない傾向があります。
例え期待値がマイナスだったとしても、損失を回避する選択をしてしまうんだよ!
プロスペクト理論の例
プロスペクト理論の例を説明しますね。
「損失回避」
まず、「損失回避」の概念を説明するための状況を考えてみて。
例えば、あなたが1000ドルを投資して、その投資が500ドルの損失になったとしましょう。
- 損切りして500ドルを手元に残す
- 市場が回復することを期待してそのまま投資を続ける
どちらを選びますか?
損失回避の考え方に基づけば、多くの人は損失を確定させることを避け、投資を続ける選択をするでしょう。
これは、損失を受け入れることが心理的に困難であるためです。
「確率の重み付け」
次に、「確率の重み付け」について考えてみましょう。
例えば、あなたがくじ引きに参加することにしました。1等賞が1つ、2等賞が99つ、合計100つのくじが入っているバケツがあります。
1等賞を引く確率は1%ですが、人々はこの確率を実際よりも高く感じる傾向があります。つまり、確率が低い出来事(この場合は1等賞を引くこと)を過大評価するのです。
一方で、2等賞を引く確率は99%ですが、人々はこの確率を実際よりも低く感じる傾向があります。つまり、確率が高い出来事(この場合は2等賞を引くこと)を過小評価するのです。
身近な例で言えば、宝くじなどが良い例ですね!人は、実際の当選確率よりも高く評価します。
プロスペクト理論とトレードとの関係
プロスペクト理論はトレードにも大きな影響を与えます。
まず最初に、プロスペクト理論は投資家が利益と損失をどのように評価するかを説明しますね。
「損失回避」が与える影響
たとえば、「損失回避」という概念は、投資家が小さな損失を避けるために不必要なリスクを取る可能性があることを示しています。
これは、投資家が損失を確定させるのを避け、不利なポジションを保持し続ける理由を説明するのに役立ちます。
損失が出ているポジションをなかなか損切りできなのは、このプロスペクト理論が働いているからなんですね!
「確率の重み付け」が与える影響
また、プロスペクト理論のもう一つの要素である「確率の重み付け」は、投資家が低確率のイベントを過大評価し、高確率のイベントを過小評価する傾向があることを示しているんでしたね。
一発逆転のトレードをしたくなるのは、プロスペクト理論の仕業と言えそうですね!
プロスペクト理論による意思決定は、トレードでは不利になることが多いんです!
プロスペクト理論に関する実験
プロスペクト理論は、多くの心理学実験で証明されています。
その一つが、カーネギーメロン大学の研究者によるもので、彼らはプロスペクト理論に基づく選択の予測不可能性を実証しました。
具体的には、彼らは被験者がプロスペクト理論に基づいて選択を行うと、その選択自体が予測不可能になると結論付けています1。
また、プロスペクト理論は行動科学、特にリスク下での意思決定の研究において最も影響力のあるフレームワークの一つであり、多くの実験が行われています。
カーネギーメロン大学のダニエル・カーネマンとアモス・ツヴァースキーの1979年の研究では、リスク下の金融選択が期待効用理論の仮定から大きく逸脱することを発見しました。これは科学、政策、産業に大きな影響を与えました。
プロスペクト理論には大量の証拠が存在しますが、最近ではいくつかの理論が再現性の問題に直面しています。
そのため、多国籍の研究(参加者4,098人、19カ国、13言語)で元の方法を直接テストし、現地の通貨に調整しながら全ての項目に全ての参加者が応答するよう要求しました。
その結果、項目の94%、理論的な対比の12/13が再現され、一部の国では100%再現されました。
これらの結果から、プロスペクト理論の実証的基礎は、合理的な閾値を超えて再現されると結論づけられました2。
ただし、詳細な実験設定やその結果については、さらに深く探る必要があります。
私たちが試みたいくつかの情報源へのアクセスが難しいため、具体的な実験の詳細については現時点では提供できません。ご了承くださいませ。
人がプロスペクト理論を克服する方法
プロスペクト理論は、人間がリスクと報酬を評価するときの心理的な傾向を説明しています。
これは本能的で無意識的な行動の一部であるため、プロスペクト理論を「克服」するのは簡単ではありません。
しかし、その影響を理解し、意識的な判断を行うことで、我々はプロスペクト理論がもたらすバイアスから自分たちを守ることができます。
では、プロスペクト理論が示す人間の傾向をどう克服すればいいのでしょうか。
プロスペクト理論によるバイアスを克服するには、以下のようなアプローチが考えられます。
プロスペクト理論を理解する
プロスペクト理論とそれが我々の決定にどのように影響を与えるかを理解することは最初のステップです。
この理解は、我々が意識的な決定を下すときにプロスペクト理論の影響を考慮するのに役立ちます。
意思決定の過程を文書化する
意思決定の過程を文書化することで、感情的な決定から距離を置くことができます。
これは、我々がリスクと報酬をより客観的に評価するのを助けることができます。
外部の視点を求める
他の人々の視点を求めることは、我々の視点がバイアスによって偏っていないかを確認するのに役立ちます。
他の人々は、我々が見落としている可能性のあるリスクや報酬を指摘することができます。
時間をかけて決定を下す
決定を急ぐことはしばしばバイアスを増幅します。
時間をかけて決定を下すことで、我々はリスクと報酬をより慎重に評価することができます。
プロスペクト理論を認識し、慎重にトレードする事が大事なんです。
以上のような方法を通じて、我々はプロスペクト理論の影響を最小限に抑え、より良い意思決定を行うことができます。
ただし、それでも全てのバイアスを完全に排除することは難しいですよ。
まとめ
プロスペクト理論がトレードに与える影響はとても大きく、うまく付き合わなければ常勝トレーダーとなるのは難しそうですね。
プロスペクト理論の理解は、プロトレーダーへの最初のステップです
最後に、プロスペクト理論を克服するためには、自分の感情をコントロールし、リスクを理解した上で賢い投資決定をすることが重要だと覚えておいてくださいね。