こんにちは!当ブログのトレーディングコーチを務める「琴乃葉つむぎ」です!
今日は、市場を理解するうえで非常に重要な要素の1つ「流動性」と、流動性に関するリスク「流動性リスク」について解説します!
流動性リスクとは、「売りたいときに売れないリスク」のことです!
流動性は非常に重要な概念ですが、知らないままトレードをしてしまっている初心者さん(特に小口トレーダーさん)は多いのではないでしょうか?
流動性について自信のない方は、この記事を読んで一緒に理解を深めましょう!
流動性とは?
冒頭でもお伝えした通り流動性というのは、とても重要な概念なんですよ。
一言で言うと、流動性とは「どれだけ簡単に資産を現金に変えられるか」を指す言葉です。
高い流動性を持つ市場では、大量の売買が行われても価格に大きな影響を及ぼさず、また売りたい時にすぐに売ること、買いたい時にすぐに買うことができます。
例えば、あなたがパンケーキを販売しているとしましょう。
市場が流動的だと、たくさんのお客さんがいて、パンケーキをいつでも適正な価格で売れる状態を指します。
一方、市場の流動性が低いと、お客さんが少なくパンケーキを売りたくてもなかなか売れない状況を指します。
金融市場においては、株や仮想通貨などの資産が「パンケーキ」に相当します。
持っている仮想通貨がどれだけ値上がりしても、買いたい人がいなければ、その仮想通貨を売ることはできず、利益を確定させることはできませんよね。
流動性とボラティリティ
ボラティリティとは、資産の価格変動の度合いを示します。ボラティリティが高いと、価格が大きく上下に動くことを意味します。
「流動性」と「ボラティリティ」は密接に関連していて、一般的に流動性が高い市場ではボラティリティが低く、流動性が低い市場ではボラティリティが高くなります。
なぜなら、流動性が高い市場では、売り手と買い手が多く、価格に対する各取引の影響が小さくなります。
これにより、価格変動が抑制され、ボラティリティが低下します。
逆に、流動性が低い市場では、一つ一つの取引が価格に大きな影響を及ぼし、ボラティリティが高まる傾向にあります。
金融市場における流動性の重要性
金融市場における流動性は非常に重要な役割を果たします。
なぜなら、流動性が高い市場では取引がスムーズに行われ、価格が公正に形成されるからです。
以下、その詳細を説明しますね。
取引のスムーズさ
高い流動性を持つ市場では、投資家はいつでも自分の資産を売買することができます。
つまり、あなたが株を売りたいと思ったとき、または新たに仮想通貨を購入したいと思ったとき、高流動性の市場ではその取引が容易に、または迅速に行えます。
一方、流動性が低い市場では、売買のタイミングを制御することが難しくなります。
例えば不動産市場は、流動性が低い市場と言えますね!
価格の公正性
流動性が高い市場では、多くの売り手と買い手が存在するため、価格は供給と需要によって公正に形成されます。
これは市場の「プライスディスカバリー(価格発見)」機能を意味します。
つまり、市場価格はその資産の「真の価値」を反映しています。
しかし、流動性が低い市場では、一部の取引だけで価格が大きく動く可能性があり、価格が真の価値を反映していない場合があります。
市場の安定性
高い流動性は市場の安定性をもたらします。
大量の売買が行われても、多くの売り手と買い手がいるため、価格はあまり大きく動きません。
しかし、流動性が低い市場では、少量の売買でも価格に大きな影響を及ぼす可能性があります。
流動性は金融市場では、非常に重要な要素なんですね!
流動性リスクとは?
「流動性リスク」とは、簡単に言えば、「売りたいときに売れない、または買いたいときに買えないリスク」です。
もっと言うと、ポジションを外すことができないリスク、あるいはポジションを外すには高いコストを支払わなければならないリスクです。
例えば、あなたがお持ちの株を売りたいと思ったとき、その株があまりにも流通量が少ない(つまり流動性が低い)場合、あなたが希望する価格で売れないかもしれません。
また、市場全体の状況が悪いとき(例えば金融危機など)には、市場全体の流動性が低下することがあり、これも流動性リスクの一形態です。
流動性が低い市場で、一度に大量に売ってしまうとマーケットインパクトにより、取引コストが増大します。
流動性リスクの具体的な例
流動性リスクは、さまざまな状況で起こりえます。
以下にいくつか具体的な例を挙げてみましょう。
個別の株式
あなたが特定の小さな会社の株式を保有しているとします。
その会社の株式は市場であまり取引されておらず、流動性が低い。
ある日、あなたがその株式を売りたくなったとき、市場に十分な買い手がいないために、あなたが望む価格で売ることができないかもしれません。
金融危機
2008年の金融危機のとき、多くの資産の流動性が急速に低下しました。
その結果、多くの投資家が資産を売りたくても売れず、大きな損失を被る結果となりました。
NFTトレード
2021年に発生した、仮想通貨のNFTバブルのとき、NFTはその価値を大きく上昇させました。
しかし、程なくしてバブルは弾け、流動性が低下した結果、NFTを換金したくてもすぐに買い手がつかずに、想定していた価格よりも安く売らざるを得ない状況が発生しました。
流動性を測るための重要な指標
流動性を評価するには、スプレッド、デプス、レジリエンシーの3つの指標を理解する必要があります。
スプレッド(市場の売買格差)
スプレッドは、bidとaskの最良気配値の差を指します。
スプレッドが狭いほど、流動性が高いとされます。
つまり、買い手と売り手が近い価格で取引を行いたいと考えていることを示しています。
一方、スプレッドが広い場合、市場の流動性は低いと考えられます。
デプス(市場の厚み)
デプス、または市場の深度は、市場が大きな取引に対してどれほど安定しているかを示します。
具体的には、最良気配値付近にどれだけ多くの注文があるのかを表す指標です。
つまり、板の厚みであり、厚いほど大きな注文を吸収する事ができ、価格変動を抑えます。
レジリアンス(市場の回復力)
レジリアンスは、市場が一時的な衝撃からどれほど早く回復するかを示します。
つまり、取引によって変動した価格が変更前の価格に戻るまでにどのくらいの速さを要するかを表しています。
これらの三つの概念は、市場の流動性を測るための重要な指標となります。
スプレッドが狭く、市場の深度とレジリアンスが高い市場は、一般的に流動性が高いと言えます。
これらの指標を理解し、市場の状況を適切に評価することは、投資戦略を立てる上で重要です。
これら3つの指標を使い、自分が参加している市場の流動性を確認してみましょう!
流動性スパイラルとは?
「流動性スパイラル」とは、市場の流動性が減少することによって引き起こされる連鎖反応を指す概念です。
何らかの原因(経済的なニュース、政治的な出来事など)により、市場の流動性が一時的に減少します。
流動性の減少により、価格が大きく変動します。
大きな価格変動により、レバレッジトレーダーは大きな損失を被り、マージンコール(追証)が発生する。
レバレッジトレーダーは、ポジションを縮小するかロスカットをする為、投げ売りが始まる。
この売りが、更なる流動性の低下を引き起こし、STEP1に戻る。
そして、投げ売りが止まるまでスパイラルは続きます。
この現象は、特に金融危機の際に見られます。
金融危機のパニック売りは、こういった背景があると考えられています。
損失が損失を生む、恐ろしい負のスパイラルですね。
流動性リスクを管理・軽減する方法
流動性リスクを管理・軽減するための戦略はいくつかあります。
主に以下のような方法が考えられます。
分散投資
投資を様々な資産に分散することで、特定の資産の流動性リスクによる影響を軽減できます。
資産の選択
高流動性の資産を選ぶことで、必要に応じて売買できる可能性が高まります。
一方、低流動性の資産は、売却が難しい場合や価格変動が大きい可能性があるため、リスクを理解した上で取引することが重要です。
市場の動向を理解する
市場の状況や経済的な変動に対する理解を深めることで、流動性リスクの発生を予測し、それに対応する戦略を立てることが可能になります。
これらの戦略は、投資家が流動性リスクを管理し、可能な限り軽減するための一部の方法です。
自分の戦略や参加している市場をよく分析し、流動性リスクと向き合いましょう。
まとめ
おつかれさまでした!
流動性リスクとは、ポジションを解消したいのにできないという恐ろしいリスクです。
とくに、流動性に問題を抱えている仮想通貨市場では、流動性リスクが常に付きまとっています。
流動性リスクを認識し、少しでもリスクを回避できるようによく市場を観察しましょう!
明日は少し流動性を意識してトレードしてみましょう!