こんにちは!当ブログのトレーディングコーチを務める「琴乃葉つむぎ」です!
今回は、システムトレーダーの勉強を始めたら必ず耳にする「カーブフィッティング」について分かり易く解説します!
カーブフィッティングは、システムトレーダーなら必ず押さえておくべきポイントなので、しっかりと勉強しておきましょうね。
カーブフィッティングとは、過去の市場データに対してを「ぴったりと合うように」作ることを指します。
それでは更に詳しく見ていきましょう!
カーブフィッティングってなに?
システムトレードにおけるカーブフィッティングは、過去の市場データに対してトレーディングシステム(取引のルールや手順)を「ぴったりと合うように」作ることを指します。
過去のデータに「ぴったりと合うように」作っているので、当然バックテストでは良い結果が出ます。
しかし、未来のデータ、つまりこれからの市場に対しては必ずしも上手くいくわけではありません。
カーブフィッティングはなぜダメなの?
カーブフィッティングが行き過ぎると、「過学習」や「過剰最適化」という問題が生じます。
行き過ぎたカーブフィッティングを「オーバーフィッティング」といい、汎用性能(新たなデータに対する予測性能)が大幅に低下してしまいます。
これは、ちょうど試験勉強で過去問だけをひたすら解いていて、新しい問題に出くわしたときに答えられない状態に似ています。
つまり、過去のデータにはうまく対応できても、現在や未来のデータにはうまく対応できない可能性が高くなります。
オーバーフィッティングされたトレーディングシステムだと、実際に稼働させてもバックテスト通りの成績になることはなく、「全く勝てなかった」というような事が起こります。
カーブフィッティングと詐欺
カーブフィッティングは、低品質トレーディングシステム販売詐欺業者が、その商品やシステムがどれほど優れたパフォーマンスを示すかを強調するためによく使用されます。
これらの商品やシステムは過去のデータに基づいて非常に効果的に見えますが、実際の市場で使用すると結果が大きく異なる可能性があります。
これは、そのシステムが過去の市場状況に過度に最適化され、新しい市場環境に対応できないからです。
悪徳業者は商品やシステムの販売者が意図的にカーブフィッティングを行い、それによって商品やシステムのパフォーマンスを過大に表現し、投資家を誤解に陥れます。
収益率が高すぎるシステムは、カーブフィッティングを疑いましょう!
カーブフィッティングの対策方法
カーブフィッティングを避けるための方法はいくつかあります。
シンプルな戦略を採用する
複雑なモデルや戦略は多くのパラメータを持つため、カーブフィッティングのリスクが高まります。
シンプルな戦略を採用することで、過剰最適化を避けることが可能です。
アウト・オブ・サンプルテストを行う
アウト・オブ・サンプルテストとは、戦略構築用に使うデータと、バックテストを別々のデータで行う手法のことです。
アウト・オブ・サンプルテストを行う事で、その戦略が新しい状況でもうまく機能するかどうかを確認する事ができます。
交差検証(クロスバリデーション)を使用する
交差検証とは、データを複数のグループに分け、各グループを順番にテストデータとして使い、残りのグループでモデルを訓練するという手法です。
これを繰り返すことで、全てのデータが一度はテストデータとして使われるようにします。
このようにして、戦略の汎化性能(新しい状況でもうまく機能するか)を確認する事ができます。
リスク管理
どれだけ、カーブフィッティングを対策しようとも、新しい市場で損失を出してしまうリスクをゼロにすることはできません。
そのため、ポジションサイズの制限やストップロスの設定、適切な資金管理等のリスク管理の手段を講じることが重要です。
まとめ
カーブフィッティングは、トレード戦略を過去のデータに最適化させる事でした。
過去のデータにオーバーフィッティングしたトレード戦略は、これからの市場での予測力が低下している可能性が高いので、カーブフィッティングし過ぎないように注意が必要です。
バックテストを工夫し、オーバーフィッティングしないようにしましょう!