こんにちは!当ブログのトレーディングコーチを務める「琴乃葉つむぎ」です!
今日は、「バックテスト」についてご紹介します!
バックテストは、作ったトレードシステムを過去のデータを使って、成績を確かめる事です。
難しそうな言葉ですが、バックテストはトレードシステムのエッジ(優位性)を確認したり、最適な設定を見つける為に重要な作業です。
この記事を読んでバックテストの概要を掴んでおきましょう!
バックテストとは
「バックテスト」とは、過去のデータを使って、自分の予測がどれくらい正確に当たるかを確認する手法のことを指します。
例えば、ある投資戦略がこれまでの市場の動きに対してどの程度うまく働いたかを確認するのに使うことが多いですね。
トレード戦略が手動、自動に問わずどちらもバックテストを行う事ができます。
ただし、これはあくまで過去のデータを元にしたシミュレーションなので、未来の結果を保証するものではありません。
未来は常に新しく、過去のパターンがそのまま当てはまるとは限らないので、バックテストの結果は参考の一つとして使うようにしましょう。
バックテストの方法は?
バックテストを行うには、まず最初に必要なのが過去のデータです。
投資の場合は、株価やFX、仮想通貨のレートなどの過去の市場データを用意します。
それから、テストしたい戦略やモデルを設定します。これがあなたのトレードのルールになりますね。
具体的なバックテストのステップは以下の通りです。
ステップ1.戦略の定義
まずはどのような戦略を試すのかを明確にします。
例えば、「5日移動平均が20日移動平均を上回ったら買い、下回ったら売る」といった具体的なルールを設定します。
ステップ2.データの準備
テストに使う過去のデータを準備します。
これは、取引所のウェブサイトや金融情報サイトからダウンロードできます。
ステップ3.シミュレーションの実行
定義した戦略に基づいて、過去のデータを使ってシミュレーションを実行します。
特定の条件が満たされた場合にどのアクションを取るか(買う、売るなど)を計算し、それによる結果(損益など)を記録します。
ステップ4.結果の分析
パフォーマンス評価指標でバックテストの結果を分析します。
結果を元に、戦略の有効性を評価したり、改善点を見つけたりします。
これらのステップを踏んでバックテストを行うことで、戦略が有効かどうかを試すことができます。
ただし、先ほどもお伝えしたように、バックテストは過去のデータに基づいていますので、未来を確実に予測するものではないという点を忘れないでくださいね。
バックテストとオーバーフィッティングについて
「オーバーフィッティング」はバックテストを行う際に注意しなければならない重要なポイントです。
バックテストとオーバーフィッティングの関係を理解するには、まずオーバーフィッティングとは何かを理解することが大切です。
オーバーフィッティングは、投資戦略が過去のデータに過剰に適合してしまい、新たなデータや未来のデータに対する予測性能が落ちてしまう現象のことを指します。
つまり、過去のデータに対しては非常に良い結果を示すが、未来のデータに対してはそのパフォーマンスを発揮できないという状況です。
バックテストを行う際には、このオーバーフィッティングを避けることが重要です。
戦略を作成する際には、複雑さを必要最低限に抑え、過去のデータに対して過剰にフィットしないよう注意しましょう。
また、バックテストの結果を鵜呑みにせず、なぜその戦略が有効なのかを理解することも大切ですね。
バックテストのパフォーマンス評価方法
バックテストのパフォーマンス評価は、実際に過去のデータに基づいてあなたの投資戦略がどれだけの利益をもたらしたかを評価するための方法です。
以下に、評価方法のいくつかを紹介します。
プロフィットファクター
プロフィットファクターは、総利益÷総損失で算出されたそのシステムの収益性を示す指標です。
この値が大きければ大きいほど、稼いでくれるシステムということになります。
シャープレシオ
これは、投資のリターンをリスク(価格変動)で割った値です。
シャープレシオが高ければ高いほど、リスクに対するリターンが高いといえます。
つまり、投資効果をリスクで調整した指標といえるでしょう。
最大ドローダウン
これは、投資戦略が生み出す最大の損失を示す指標です。
投資戦略が大きなリスクを伴う可能性があるかどうかを評価するために使用されます。
以上の指標は一部ですが、これらを使ってバックテストの結果を評価することで、投資戦略のパフォーマンスを理解し、リスクを評価することができます。
バックテストとパラメータ最適化について
パラメータとは、投資戦略やトレーディングモデルに影響を与える値のことを指します。
例えば、移動平均線を使った戦略では、「何日間の平均を取るか」というのがパラメータになりますね。
パラメータ最適化は、これらのパラメータを調整して、バックテストにより得られるリターンが最大になるようにするプロセスのことを指します。
つまり、過去のデータを使って、「これが一番良い結果を出したよ」というパラメータを見つけ出す作業です。
ただし、注意が必要なのは、過去のデータで最適だったパラメータが、未来でも最適であるとは限らないということです。
特に、過度に最適化(オーバーフィッティング)を行ってしまうと、そのモデルは過去のデータに対しては非常に良い結果を出すものの、新しいデータに対してはうまく機能しない可能性があります。
ですので、パラメータ最適化は慎重に行う必要があります。
また、バックテストを行う際には、過去のデータだけでなく、未来のデータに対するロバスト性(堅牢性)も評価することが重要です。
そのためには、バックテストのデータをランダムに選択したり、時間を分割してテストしたりするなどの方法があります。
パラメーターについても、オーバーフィッティングを注意する必要があります。
バックテストの注意点
バックテストを行う際にはいくつかの注意点があります。そんな注意点をシンプルにお伝えしましょう。
過去のパフォーマンスは未来のパフォーマンスを保証しない
バックテストは過去のデータを使用しますが、それが未来も同じように働くとは限りません。
市場環境は絶えず変化しているので、過去の戦略が未来でも有効であるとは必ずしも言えません。
オーバーフィッティングに注意
パラメータを過度に最適化してしまうと、特定のデータセットに過度に適応しすぎてしまう「オーバーフィッティング」が発生することがあります。
その結果、新しいデータに対してはうまく機能しない可能性があります。
データの質を確認
バックテストを行う際には、使用するデータの質も非常に重要です。
データに誤りが含まれていたり、重要な情報が欠落していたりすると、誤った結果につながる可能性があります。
取引コストを考慮する
実際のトレードでは取引コストが発生しますが、バックテストではこれを無視することがよくあります。
しかし、これは結果に大きな影響を与える可能性があるので、取引コストも考慮に入れることが重要です。
ロバスト性のテスト
違う時間期間や異なる市場環境で同じ戦略をテストすることで、その戦略が様々な条件下でも機能するか(ロバスト性があるか)を確認することが重要です。
これらを念頭に置いてバックテストを行うことで、より信頼性のある結果を得ることができるでしょう。
まとめ
バックテストは過去のデータを使って、トレードの評価を行う事です。
ここで、特に注意してほしいことは、「オーバーフィッティングにならないように注意する」と、「未来も同じように働くとは限らない」という点です。
オーバーフィッティングを避けるために、様々な機関でバックテストを行い、本番環境では負けるかもしれないという意識を持ってリスク管理を行ってください。
考えたトレード戦略は、必ずバックテストしてから実稼働させるようにしましょう!