今回は世界的ベストセラーで僕の価値観を大きく変えてくれた『DIE WITH ZERO』を読んだ感想や思った事を書いていきたいと思います。
有名な本なので手に取ったのだけど、これがものすごく良い本で例に漏れずもっと「早く読めばよかった…」となる名著でした。
お金の使い方を考えさせられる
この本では『お金を残さずに使い切る』ということを念頭に、最も価値を引き出せるようなお金の使い方を教えてくれる。
読了後は将来の不安ばっかりしてケチケチしてモノにばっかりお金を使っていた自分をぶん殴りたい気持ちでいっぱいになった。
とはいえ、子供たちも小さい今のうちにこの本に出会えたのはまだ幸運だったのかもしれない。
記憶の配当という素敵な考え方
この本を読む中で僕にもっとも大きなパラダイムシフトを起こしてくれたのがこの「記憶の配当」という考え方だ。
家族と行った旅行やミュージシャンのライブ、釣りやキャンプは確かに形としては残らないが思い出としては一生残る。
旅行から帰ってきた翌日から思い出話で家族と盛り上がったり、ふとした拍子に思い返すたび幸せな気持ちになる。
これこそが記憶の配当だ。たった一回の旅行が永続的に小さな幸せを運んでくれる。
思い出補正の正体
著者はこの記憶の配当が積み重なり、実際の旅行の楽しさを超えることがあるという。
子供のときにTVゲームをよくしていた方なら分かっていただけると思うんですけど、これってまさしくゲームの思い出補正じゃないか?って僕は考えました。幼少期にした神ゲーを大人になってやってみると「あれ?こんなだっけ…?」ってなるやつ。
人生の中で子供の時にプレイした楽しかった思い出を何度も振り返るたびいつの間にか楽しかった思い出、つまり「記憶の配当」が積み重なった結果、原作が持つ本来の楽しさを超えてしまったんだと思う。
管理人「ゲームの思い出補正」は記憶の配当が与えてくれる恩恵のいい例ですね
その人が自分の愛する人であると知っている理由
記憶の配当の説明の中で素敵でなぁと思った一節があるので引用します。
”自宅の台所でコーヒーを入れている人を見たとき、私たちはその人を見知らぬ誰かとして接したりはしない。相手が自分の愛する人であることも、なぜその人を愛しているのかも知っているからだ。その人と親しくなった経験、過去の会話、共有してきた経験が、相手に対していだく今の気持ちをつくっている。”
出典:DIE WITH ZERO
その人を愛しているのを知っているのは記憶があるからです。共に過ごした時間が経験がその人を特別な存在にしている。これも記憶の配当の一種だといいます。素敵です…
そう考えると大事な人との思い出にお金を使うことは、人生で最も価値のある形となって大きな配当を与えてくれるんです。
どんな経験にもそれを体験できる期限がある
例えば「娘とお風呂でシャボン玉をしたい」という思いがありつつ、いつでもできるからと後回しにしていたとします。
今は当たり前のように一緒に入浴しているがいつか必ず一緒に入ってくれなくなるタイミングが訪れます。終わりが来てしまえば「娘とお風呂でシャボン玉をしたい」という簡単な経験すらもう実現不可能となってしまう。
やりたいことがあるのなら、先送りせず終わりが来るまでに必ず実行しないとダメです。
卒業などの明確な変化イベントを除き「今の日常」はいつか急に予告もなく終わりがきます。
お金の価値は加齢とともに低下する
著者が本書で伝えたかったことの一つがこれだと思う。70歳になって行く一人旅行と20歳のときに行く一人旅行では同じ費用だったとしても、満足感や探索できる範囲に違いがでる。年を重ねるごとにお金の価値を引き出せる能力が低くなっているのだ。
考えてみたら当然なんだけど、100万円の予算で旅行にいったとして24時間元気な20代と午前中だけで疲れてしまう70代ではその100万円から得られる体験の量はまったく違いますよね。
人生の中でもっともお金の価値を引き出せる20~30代のうちにお金を効果的に使うことが推奨されます。
子供が若いうちにお金を渡す
自分が死んだとき子供たちは何歳になっているだろうか?仮に60歳になっていたとして、その年齢で大金が必要だろうか?さっきも書いた通りその頃にはお金の価値を引き出す能力はすでに低下している。
現に今の自分が親から100万をもらっても何も嬉しくないし申し訳ない気持ちにしかならないが、10年前にもらっていたら人生は大きく変わっていただろう。
子供たちにお金を残したいなら、自分が死んだ後じゃなくて子供たちが最もお金を必要としているベストなタイミングでお金を渡したいと思う。
感想・まとめ 今しかできない事にお金を使おう
さて、この本の伝えたいことはここに集約される
「今しかできない経験にお金を使う。そして使い切って死ぬ」
自分は今まで経験にはあまりお金を使ってこなかった。どっちかというとモノにばっかりお金を使っていたと思う。手元に残る方がコスパが良いと思っていた。
今回この本を読んで、その考え方が完全に間違っていたことに気付けただけでも書籍代を回収できそうだ。というかこれだけのパラダイムシフトが起こせたのにたったの2000円しか掛かっていないことが凄い。
2000円の「知識」が自分の人生にそれ以上の価値を与えてくれるように、経験も自分の人生に掛けた金額以上の大きな価値を与えてくれます。
最近は年をとって体力も落ちできる事が日々減ってきているのを実感する。
人生は短いのだし、天国にはお金を持っていけない。今しかできない経験や家族との思い出にもっとお金を使っていこうと思います。
リスクをとれる期限もあることを再認識できたし、仕事を辞める決意もできた本当に手に取ってよかった一冊です。
今回紹介しきれなかった興味深いトピックもまだまだたくさんあるので、まだ読んでいない人は絶対に読みましょう!





