こんにちは!仮想通貨のシステムトレードで専業トレーダーを目指すブログ「トレーダーズハイ(@Traders_High_)」です。
今回はHyperLiquidという取引所のご紹介です。
Hyperliquid(通称ハイリキ)とは、Arbitrum(アービトラム)チェーンから入金が可能な分散型デリバティブ取引所(DEX)です。
数あるDEXの中でも非常にクオリティの高い取引所に仕上がっており、使い勝手が抜群に良いです。
今回はそんなHyperliquidについて調べた事やドキュメントを読んで思ったこと、使い方についてメモ書きしておこうと思います。
出来るだけ正確な情報のみを提供するよう努力しますが、万が一なにか間違いやご指摘等あればお手数ですが問い合わせフォームにてご指摘いただけると幸いです。
※この記事で紹介する取引所はハッキング、カウンターパーティリスクを孕んでおりますので、最終的な投資判断は必ずご自身で行ってください。また、仮想通貨独自の用語を使用しますが解説はしません。
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Hyperliquid(ハイリキ)概要
取引所名 | Hyperliquid(ハイパーリキッド) |
公式リンク(手数料割引リンク) | https://app.hyperliquid.xyz/join/TRHIGH |
取引所タイプ | 分散型取引所(DEX) |
取り扱い商品 | 無期限先物・現物(予定) |
最大レバレッジ | 最大50倍 |
チェーン | アービトラム |
取引手数料 | maker ~0.01% taker ~0.035% |
FR付与間隔 | 1時間 |
ドキュメントを読んでみる
ではさっそくドキュメントを読んでみましょう。
読んでて気になったところをザーッと箇条書きにしました。
取引所概要
- Tendermintを採用しHyperLiquidL1という専用のブロックチェーン上に構築されている
- 20000注文/秒を処理できる(十分らしいが更に増やせるように並行して作業しているらしい
- すべての取引はオンチェーン上で1秒未満で処理される
- チームは以前から仮想通貨のマーケットメイクで稼いでいる
- Rustで実装されている
- CEXのような使用感のAPIサーバー
- 現物なし先物のみ※2024/4/16 $PURRという独自トークンの現物が取引可能になった
- Hyper liquidL1にはHIP-1というトークン規格がある
- HIP-2はLPトークンのようなもので独自のロジックで流動性を提供する
このhyper liquidL1という専用チェーンがなかなか爆速です。
現在は$PURRというハイリキのmemeトークンのみが現物取引可能で、将来的には他のコインにも対応とのこと
オラクル価格
- バリデーターはオラクル価格を3秒ごとに公開する責任がある
- オラクル価格はFRまたは、マージニング、清算、およびTP/SL注文のトリガーに使用されるマーク価格の構成要素
- 最終的なオラクル価格は各バリデーターから提出された価格の加重中央値
- オラクル価格は以下の重み付けで計算される
各銘柄のマーク価格は、CEXのUSDTペアの価格を参照するようですね
オーダーブック(板取引)
- すべての注文はクリアリングハウスに集められ処理される。これにより、ポジションやマージンの管理が一元化され、透明性が高まる
- ドキュメントの文面通りならステルスオーダーやフロントランニング等の不正はできないはず?
非常に透明度の高いオーダーブックシステムだと言えますが、技術的にはバリデーターである運営だけはフロントランニングできてしまう。
トレードの始め方
- 取引を開始するにはEVMウォレットかメールアドレスが必要
- ArbitrumチェーンからUSDCを入金する
- メールアドレスで始める場合は、新たにArbitrumアドレスが作成される?(こちらは未確認)
多くのウォレットに対応しているのがありがたい。個人的にはmetamaskではなく、扱いやすいOKX WalletやRabbyWalletがおすすめです!
Hyperliquidへの入金方法
入金手順は以下のとおりです。
- Arbitrumチェーン対応のウォレットを用意(RabbyWalletやOKX Walletがおすすめ)
- ウォレットにGAS代用のETHとHyperliquid入金用のUSDCを送金
- HyperLiquidへアクセスし、ウォレットを接続
- USDCをデポジット(入金)する
Hyperliquidで取引を開始するにはArbitrumチェーンにUSDCを用意する必要があります。
国内からだとbitbank等からArbitrumチェーンへETHを送金しUniSwapなどでUSDCにスワップするか、海外取引所でUSDCを用意し、Arbitrumチェーンへ送金してください。
まだ海外取引所を開設していない方は現状ではBybitがおすすめです!
ウォレットはメタマスクが有名ですが重いし使いづらいので、マルチチェーン対応で使い勝手が良すぎるRabbyWalletが圧倒的にオススメです!
Bybit等の取引所からウォレットへ送金する際は必ずチェーンタイプをArbitrum Oneを指定し、最低額をテスト送金してウォレットに届くかを確認してから任意の額を送金するようにしましょう!
手数料が余分にかかりますが、テスト送金は必ずするようにしてください!一回のミスで全資産を失うリスクがあります!
無事にウォレットに送金出来たらHyperLiquidに接続してUSDCをデポジット(入金)すればトレード準備完了です!
取引所仕様
- 入金手数料はガス代(ETH)のみ
- 出金はGAS代を必要としないかわりに2USDCの手数料がかかる
- 銘柄はコミュニティによって決定される(予定
- 将来的には許可不要のリスティングプロセスが導入される
- ガバナンストークンによってリスティング銘柄を投票するプロトコルが導入される予定
- 証拠金にはUSDCを使う(USDTではない)
- 担保はUSDCだが、各銘柄のオラクル価格はUSDTによって算出されている
- PNLに表示されている損益はUSDCで表示されているが実際はUSDTで計算されたもの
- つまり、1USDC ≒1USDTを前提とした仕様ということなので、この前提が崩れると大きな歪みが発生する可能性が高い
- たとえば、USDCショックが起こってUSDCの価値がUSDTの10分の1になったとしてもPNLには反映されないが、USDCの価値が下がるので証拠金維持率が低下して清算される?
- API・Websocket提供あり
担保はUSDCだが、損益計算はUSDTで行われるという点には注意が必要ですね。
手数料周り
- FR(資金調達率)は1時間ごとに支払われる
- 最大値は0.05%(8hで0.4%)
メイカー(make)は-0.002%、テイカー(take)は0.025%(改定前)- メイカー(make)~0.01%、、テイカー(take)は~0.035%(改定後)
- 手数料の40%が保険基金へプールされる
- 保険基金は予期せぬ損失を補填するために使用される(補填の実績あり)
※2024年3月に手数料の改定が行われました。改定後の手数料形態は以下の通りです。
Tier制になり残念ながらメイカーリベートは条件付となってしまいました…
それでも他のDEXやCEXと比べるとテイカー0.035%、メイカー0.01%はかなり安いですね!
独自の機能など
- 損益グラフの更新は15分おき
- 巨大な清算が発生し、清算能力が足りずプラットフォームが損失を出しそうになった場合は清算とは反対のポジションを持っているユーザーの一部ポジションを強制的にクローズすることで補填する(自動デレバレッジ)
- 自分のオーダーにテイクすると約定ではなくキャンセルが入る。こうすることで手数料だけが発生するという無駄をなくすことができる
- NFTIやFRIENDなど独特なインデックスがある
- 一部のペアのオラクル価格はユニスワップを参照とする
- “Hyperps”はHyperliquid取引所の独自の永久契約のペア
- プロトコルの清算とマーケットメイクしている口座(HLPという名称のVault)に自身の資金を入金することができ、その収益の一部を受け取ることができる
- プロトコルVaultは入金すると4日間出金不可となる
- Vaultは一般ユーザーも作成する事ができる
- Vaultリーダーは10%の利益配分を得ることができる
- Vaultに入金することで完全なコピトレが可能?
- Hyperliquid内から別のアドレスへ資金を送金できる
Vaultという機能はhyper liquid独自の機能ですが、一般ユーザーのVaultは両建てで資金抜かれる可能性もあるなーと感じました。
運営のVaultであるHLPに入金すると取引所での清算による利益や運営のマーケットメイキングbotの収益の恩恵を受ける事ができます。
ただし、絶対に資金が増えるわけではなく損失を出すこともある点には注意です。
HLPについて
HLPは運営が稼働させているマーケットメイクシステム(mmbot)のVaultです。ユーザーはHLPに資金を入金する事ができ、デポジットの額に応じてHLPの収益を受け取ることができます。
ユーザーの清算やスプレッドを収益源にしており収益性はかなり高いように思いますが、苦手な値動きもあるようで、たまに損失を出すので入金するタイミングによってはユーザーも損失を被ることになります。
流動性の高いHyperLiquidですが、そのカラクリはユーザーの資金を使って板を分厚くしているといえます。
このマーケットメイクシステムがかなり強力で、スキャルピングのような超短期のトレードは比較的厳しいと思われます。トレードするのであれば少し時間軸を長くすることをオススメします。
僕も高頻度取引botを作って稼働させてみましたがバリデーターでもある運営のHLPには勝つことが出来ず、撤退しました。
トレードが苦手な方はHLPに預けておくのが最善だと思います。
ただ注意して欲しいのはHLPから出金するとき、その出金額分のポジションが成行決済されてしまうので場合によっては表示された出金額よりも受け取る金額が少なくなってしまう事があります。
つまり、出金にはスリッページが発生する可能性があるということです。
大きな額を出金する際には注意してください!
ポイントプログラム・トークン
独自トークンは今のところなし(エアドロの可能性あり?)毎週木曜日に取引所に貢献した人にポイントが配られる(計算方法は非公開)- 2024/4/16にポイント保有者に対してテストトークンである$PURRが配布された
- 5/29よりL1を対象としたポイントプログラムが開始されました
- L1フェーズは4ヶ月間、毎週700,000ポイントが配布される
第一弾ポイント保有者に配布された$PURRは上場時に0.14ドルを付けており、1ポイントあたり1ドル前後のエアドロとなりました。
$PURRトークンについて
- HIP-1というHyperLiquidL1チェーンのトークン規格でローンチされた最初のコイン
- $PURRの総供給数は10億枚であり増えることはない
- 内50%をポイント保有者へ配布し、残りはLP(HIP-2)として使われる
- メインネットローンチ後LPは十分と判断され総供給数の40%がBarnされた
- 最終的には5億PURRがポイント保有者へ配布され、のこり1億枚が流動性へコミットされた
- HIP-1トークンの取引手数料はHyperliquidに蓄積されずその場でBarnされる(変更の可能性あり)
- PURR自体はHIP-1のテストとしてローンチされただけの何のユーティリティも持っていないミームコイン
テストトークンである$PURRですが、「手数料がBarnされる」「まだHyperLiquidL1から出せない」「HyperLiquidという有望なプロダクトのmemeコイン」HyperLiquid以外では購入できないにもかかわらず時価総額は3日で90Mドルに到達するなど、運営の有能さも相まって今後の価格上昇が期待されています。
Hyperliquidのメリット・デメリット
Hyperliquidの使用感はとても良い感じでした。特に良かった点や悪かった点を書いておきます。
メリット
- 手数料が安い
- エアドロが期待できる
- FRが1時間おきに支払われる
- レバレッジが高い(BTCで50倍)
- 取引銘柄が多い
- User Vaultsでコピトレができる
- HLPは聖杯のような戦略を採用している
- DEXなのに注文処理が速い
- ほぼCEXのような使い心地
- API・Websocketが提供されているのでbotが作りやすい
- NoKYC
運営がFTXを意識しているのかは分かりませんが、非常に使いやすくてFTXを思い出させてくれるDEXです。
また、HLPの高APRは非常に魅力的です
デメリット
- スマホのUIが微妙
- 証拠金がUSDCのみ
- 運営がマーケットメイクしている(場合によってはデメリット)
- HLPに入金すると4日間はロックされる
- やや中央集権よりの取引所
- カウンターパーティリスクがCEXよりも高い
ラグリスクは大いにあると思っています。大金を入れるのは推奨しません。あと、運営がマーケットメイクしている取引所は個人的には良いイメージを持ってません(あくまで個人的な感想です)
Hyperliquid安全なのか?
Hyperliquidは運営実績もあり運営も誠実なので、他のDEXに比べると比較的安全だと思いますがCEXほどの安全性はないと思います。
とはいえいつハッキング被害にあってもおかしくないし、Hyperliquidの運営が資金を持ち逃げする可能性だってあります。
被害にあっても国内取引所のような補填はないし、入れていた資金は100%失いますので全財産を入れるなど過剰なリスクを取ることはお勧めしません。
ただ、高FRやHLPなど収益機会が多いのも事実です。上記のような全損リスクを許容したうえで、いくら資金を入れるのか慎重に検討しましょう。
API・WS
APIやWebsocketも完備されており、CEXのような使用感で開発する事ができます。
APIはオンチェーン特有のややこしさはありますが、HyperLiquidではSDK(開発キット)が用意されているので、快適に開発に取り組むことができます。
しかし、SDKでは非同期に未対応だったりと痒いところに手が届かないこともあり、ガチで取り組む場合は各自カスタマイズする必要があります。
レート制限がやや特殊で、よくある「x秒間でn回リクエスト」ではなく、1USDの出来高に対して1リクエストが付与されます。
出来高によるリクエスト許可に加えて10秒経過で1リクエストが許可されます。
詳細はドキュメントを確認してください。
認証部分が複雑ですが、開発自体はしやすい印象です。
手数料割引リンク
こちらのリファラルリンクからHyperLiquidへ接続すると手数料が4%割引になりますので、良かったら是非使用してくださいね!
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